パニック症候群の症例

初診日 平成23年12月24日
患者

女性 33歳 163cm 69kg 

既婚  医療関係勤務

主訴 パニック障害(動悸、頻脈、焦燥感、圧迫感を伴う発作) 呼吸困難 のぼせ
病歴

子供のときからあがり症だった。

高校3年生のときにパニック障害になる。

大学生のときにもパニック障害の発作はでていたが症状はきつくなかった。

6年前に出産をしてから、パニック障害の症状が強く出るようになる。

1年前から仕事の休憩中に発作が起こるようになる。

半年前からホルモン剤を生理周期に合わせて服用している。他に病院からの処方されている薬(パキシル、コンスタン)と漢方薬(甘麦大棗湯、奔豚湯)を服用している。

診断

問診情報と体表観察所見から、心的プレッシャーが肉体的にストレスを与えた時期があったが、今は肉体的なしこりとして残っていて時折熱を帯びてパニック障害として発症する。それを薬で解消しようとしているが一時的にその熱は引くが、一時的なので、また繰り返し発症してしまう。その連鎖を止めるために肉体面で傷ついた部分を修復して熱を発生させないようにし、薬に頼らない状態を作ることを目的とした。

治療 1回の治療で1〜4個の少数のツボ(百会、霊台、曲泉、後ケイ、三陰交、外関、内関、臨泣、照海、神道など)を適宜選び刺針した。
経過

初診12月24日 パニック障害の発作(動悸、焦燥感)人に見られてると思うと発作が起こる。

2診目12月29日 調子は良かった。発作が出るようになることもなかった。前回の治療後に頭痛がしたが翌日には治っていた。良く寝れるようになる。

11診目2月18日 調子が良かったので、服用する薬を減らしていた。人ごみの中にいるとのぼせような感じになった。

15診目3月17日 生理になってから調子が悪いのが一気に治る。花粉症がはましだが続いている。

25診目5月26日 発作は出なかった。腰のだるさがある。

39診目8月31日 生理周期が不規則になっていた。検査で女性ホルモンの量が少ないといわれた。

40診目9月8日 9月3日より腰の部分にエストロゲン(ホルモン剤)を貼付する。発作はないが、吐き気がする。

41診目9月14日 前回の治療翌日から吐き気はなくなる。まあまあ調子はよい。

52診目12月8日 病院の検査で子宮内膜が厚くなっていると診断される。黄体ホルモンを服用する。服用してから二日間くらい頭痛になる。

63診目3月9日 生理がきてから調子がよい。咳が出るが咽の痛みはない。

75診目5月31日 梅雨に入り体が重たい。発作は起こっていない。

79診目7月26日 調子はいい。生理周期の関係でイライラしたり、不安になる。以前はホルモン剤を服用していたが、最近は服用していない。

85診目10月4日 二週間前からパキシル→レクサプロ(セロトニン)に薬が変わって楽になった。上肢の痒みがきつくでた。発作は起こっていない。

現在の状態 以前は考えられなかったバレーボールを毎週行い、発作も1ケ月に一度くらい、前兆みたいなものがあることがあるが、頓服を飲まないでも大丈夫な様子で、落ち着いている。生理が不安定な状態だったのが落ち着いてきて、全体的に体調が良くなっている様子である。

院長からのコメント

この方のように、ご自分で意識していないのに、パニック症状が起こる場合には、精神的なことが問題なのではなく、ほとんど身体的な後遺症的な障害が起こっていることが多いものです。それなのに、心理的なカウンセリングをすることや、薬に頼ることでなかなか治りにくくしています。

 キチンと精密に体表を観察することで、その異常の部分を発見し調整することが出来ます。