全身の痒み、偏頭痛、糖尿病の症例

初診日 平成26年10月9日
患者 男性 85歳 160cm 49kg
主訴

・全身の痒み

・偏頭痛

・糖尿病

病歴

50歳を過ぎてから腰痛を感じるようになった。

20年前から糖尿病になり投薬した状態でHbA1cが6.3(正常は5.8以下)となる。この頃からギックリ腰を何回もし、立つことがしんどかった。

10年前から不整脈、前立腺、副鼻腔炎、頭痛、目の視野の左右差、等の症状が出始める。不整脈にはカテーテルアブレーションを行い症状は良くなる。

4、5年前から夜の眠りが浅くなり、夜中に2回くらい目覚めるようになる。夜寝ている時に、右足のふくらはぎがつりそうな感じになる。

目の視力の焦点が右が遠く、左が近いためメガネで合わせている。

治療を進めていくにしたがって、全身の痒み(特に下肢)がでてきた。

診断 50歳を過ぎてから腰痛を繰り返していることから腎虚は一定ある、20年前からの糖尿病、その後副鼻腔炎、頭痛、視野左右差など顔面部の症状になってきたところから内熱が顔面部に浮き上がっていると考えた。同時に不正脈もあり、内熱の裏付けとなる。4.5年前から睡眠が浅くなり途中覚醒もあることにより肝気の停滞が影響して内熱を起こし、浮き上がって来て痒みを発症したと考えた。
治療 1回の治療で1〜3個の少数のツボ(照海、陽池、曲泉、後ケイ、神門、神道、三陰交、身柱、臨泣など)を適宜選び、刺針した。
経過

初診10月9日 偏頭痛、糖尿病、物が二重に見える。

3診目10月11日 偏頭痛は無い。尿がたくさん出て出がよくなった。

7診目10月24日 頭痛は少ない。夕方に足がつる。

8診目10月27日 足のつりがなくなった。

11診目11月5日 腰のまわりに痒みが出てくくる。

23診目12月13日 調子がいい。

30診目1月28日 左ふくらはぎに痒みが出てくる。

32診目2月11日 皮膚の痒み、湿疹が出てくる。

35診目2月18日 大部分の痒みがなくなる。

41診目4月4日 痒みは少しあるが、マシになる。

51診目6月19日 痒みがなくなる。体調がいい。

現在の状態 ほぼ症状はない状態が続いている。現在も予防のために月に一回通院されている。

院長のコメント

糖尿病は、内熱が体の中に籠っているために起こります。特に膵臓と言われていますが、臨床的には肝臓の負担が大きい様子です。肝臓の治療をすることで、痒みも治まり、血糖値なども落ち着き、足のツリもなくなり、睡眠もほぼ一回しか目が覚めなくなりました。高齢の場合もきちんと原因を見極めると早く症状が治ります。

この方は、散歩をしっかりとされているので巡りが良く、非常に治りが良いようです。