切迫性流産の可能性、腰痛、肩凝りの症例

初診日 平成2x年5月30日
患者 女性 32歳 158cm 44kg
主訴

・切迫性流産(の可能性)

・腰痛

・肩凝りからの頭痛

病歴

12年前から就職してから腰痛が出始める。

3年前に出産してから、子育てにより肩凝りになる。

2ヶ月前より肩凝りによる頭痛になる。

治療継続中に妊娠し、切迫性流産の危険性があった。

診断 元々気血の停滞が下焦(下半身)にある方で、座り仕事をしていても腰痛になっていた。なので気血の停滞を主に下焦で改善する治療を行っていた。切迫性流産の危険を感じてからはひたすら三陰交に間接灸をするなどして下焦を温めることで改善すると考えた。
治療 1回の治療で1〜3個の少数のツボ(百会、臨泣、照海、申脈、心柱、行間、至陽、外関、内関など)を適宜選び、刺針した。
経過

初診5月30日 頭痛、腰痛、首〜肩の凝り

2診目6月3日 頭痛はほとんどしなくなった。腰のはり10→5(最初の状態を10とすると)、首肩の凝り10→5となる。

3診目6月7日 首肩の凝りはほとんどしない。腰のはりは10→1となる。

6診目7月2日 妊娠5週目 胃が少し気持ち悪い。

8診目8月16日 妊娠9週目 首肩のこり。腰のはり感がある。

9週目8月29日 妊娠9週目で流産。母体には異常はみられない。

25診目6月13日 胃の辺りがムカムカする。腰が少しこわばる。

28診目9月15日 下腹全体に痛みがでる(妊娠の可能性あり)

30診目10月8日 病院の検査で切迫性流産の可能性が高いといわれる。子宮の収縮を抑える薬を処方される。

31診目10月24日 つわりで吐き気がする。肩凝りが少しある。

32診目12月11日 急激な腹痛がある。

36診目1月21日 つわりが終わったがげっぷがよくでる。

現在の状態 無事出産し母子共に健康で、現在はご主人の仕事の関係で長崎へ引っ越されたとのこと。

院長のコメント

 元々不妊症として来院された方で、基本的には下焦の気の停滞が原因していたと考えられる。こういう方はしっかりと養生のお灸などをして後々に大きな病気にならないように注意が必要です。

 切迫流産は、胎内環境を良くすれば治るものなので、適応をしっかりと見極めれば鍼灸治療で改善していくものです。