急激な高血圧による不安感の症例
初診日 |
平成26年6月25日 |
患者 |
女性 67歳 主婦 |
主訴 |
高血圧による不安感 |
随伴症状 |
首から肩にかけてのこり
動悸
不安感からくる不眠 |
病歴 |
50代のときに風邪から肺水腫を起こしていた。それ以前はあまり風邪をひかなかったが、肺水腫を起こしてからはよく風邪をひくようになる。
50代後半には降圧剤を服用していた。このころから肩こりが強くなり、肩がこっていると疲れるようになる。
一ヶ月前から腕に脱力感があって、顔が赤いといわれるようになる。
それから意識して血圧を測るようになり血圧が高いことによる不安感が出てくる。安静時の最高血圧は180〜200になる。
医師からクレストール(心筋梗塞の予防)、コニール(降圧剤)、リーゼ(精神安定剤)を処方される。 |
診断 |
もともと身体を動かすことは良くしていた方ではあったが、50代後半には、あまり運動をせず肩こりがきつくなっているので、身体の上半身に気がのぼせやすくなっていると診断。特に下半身の大きな弱りというのは、負荷試験(散歩や入浴をしても大きな血圧の変化は見られない)をみてもあまりないのでだが、睡眠の状態と心筋梗塞の既往があることを考えるとやや肝と腎の問題はあると考え、気の流れを良くすることを中心に肝腎を調整する治療を行う。 |
治療 |
心筋梗塞の既往歴があるので少し強い刺激をすると悪化する場合があり、慎重に刺鍼を行う。1回に1〜3個の少数のツボ(内関、霊台、陰谷、照海、百会など)を用い、気の巡りをよくして、肝腎を調整する治療をする。 |
経過 |
初診 6月25日 高血圧の不安(最高血圧180〜200/最低血圧130)後頚部のこり。
2診目 6月27日 治療後はけだるい感じになり、血圧も落ちつく。
3診目 6月30日 安静時の血圧が150〜160になる。リーゼを服用しなくても寝れるようになる。 8診目 7月17日 一昨日の昼食後に後頚部が痛む。血圧は最高血圧220/最低血圧110
10診目 8月6日 血圧が(最高血圧130〜110)落ちついている。肩こりもなくなり、薬の服用を止めているが安定している。
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現在の状態 |
血圧の安定は継続していて、1年間は、症状の安定のため、2週間に一度の割合で通院されている。その後、一ヶ月に一度にされてお元気にされている。 |
院長からのコメント
心筋梗塞などの既往が あり、息切れを起こすなど、なかなか難しい症状で、しかも根気のいる治療ではありますが、現在まで飛蚊症は落ち着いており、他の症状も非常に良い結果と なっています。
血圧も140/90で血糖値も140台で落ち着いて、趣味のパソコンいじりもたいへん機嫌良くできているみたいです。