気管支喘息、喘息による胸部痛の症例

患者

男性 53歳 既婚 管理職

主訴

肺気腫の疑い

気管支喘息

胸部痛

病歴

大学卒業のときからたばこを一日一箱吸っていた。咳が出ていたがさらにきつくなった。

15年前に仕事のストレスにより遅くまでお酒を飲むことが増えた。2週間の入院で気管支喘息の治療を行った。その後通院したが病状はあまり変化はなかった。

7,8年前に病院からマドエアを処方される。症状は大分安定してくる。

5年前に鼻ポリープ(鼻たけ)の手術で2週間入院した。

2,3年前仕事のポストが変わり、ストレスが増す。このときにギックリ腰をする。秋口にめまい、ふらつきが出るようになる。

昨年に人間ドックで肺機能の低下を言われた。鼻がつまる感じで息苦しい、動悸、イライラ、不安感が出てきて、目の焦点が合わずにボーとするよになる。

今年になり以前よりボーっとする症状はましになるが、頭のスッキリ感はまだない。年に何回か早朝から5分ほど胸の痛みがでるようになる。

診断

ストレスや仕事の忙しさにより、気の巡りを悪くし、呼吸器を司る肺の臓を弱らせ、慢性的に症状がでたと診断した。

治療

気の停滞を失くし、肺の臓を活性化させる。1回の治療で1〜3個の少数のツボ(至陽、筋縮、百会、神道など)を適宜選び刺針した。

経過

初診4月13日 胸部から背部にかけての痛みがでる。息切れがあり肺気腫の疑いがある。

2診目4月14日 胸から背中にかけてのこわばりが少なくなり、体のだるさも少なくなる。

5診目4月25日 喘息の調子がよくなる。胸痛、腰痛がなくなる。胸のスッキリ感がない。たまに頭がボーとする。

現在の状態

風邪を引くと少し悪化することがあったが、風邪の治療も兼ねているので治療後治まり現在(3ヵ月後)では主訴の喘息はほとんどない。


院長からのコメント

この方の喘息は長い年月に渡っていますが、比較的ストレスが溜まっている状態でも、抵抗力があって比較的治りやすいタイプの肺の機能障害と思われます。

 抵抗力のあるなしが、治りやすさの一番の目安です。

抵抗力の弱い方は、肝臓や腎臓や脾臓に関係するツボに顕著に反応が出てくるのですが、この方はあまり出ていない状態でした。

 しかし、これから養生指導をしっかり行っていく必要を十分に感じます。長い人生を楽しんでいただきたいです。