潰瘍性大腸炎の症例

初診日 平成11年6月10日
患者 女性 36歳 160cm 50kg 未婚 ダンスインストラクター
主訴 潰瘍性大腸炎による下血
病歴 9年前に直腸潰瘍になり、少量の出血をする。それ以後排便時の出 血がみられるようになり、仕事のハードな時や食生活の乱れによって増加する。出血の際、腹部膨満感、倦怠感(動けないこともある)を伴う。病院にて服薬、 食事指導をうける。3年前、腹痛を伴う出血をし2ヶ月間入院する。今年に入りS状結腸の出血性ポリープを内視鏡手術により切除。初診時は毎日2〜3回下血 (粘液混じり)する。
診断

海外での生活が長く忙しい中にあって、日常的に暴飲暴食を していたためそれが消化吸収、排泄の機能をさまたげ、体に余分な水分やコレステロールが停滞しそれが次第に熱を持った。さらに日々のストレスが影響し熱化 を助長したため潰瘍性大腸炎を引き起こしたと診断した。出血は熱が血に影響したためである。

治療 一回の治療で1〜3個の少数のツボ(臨泣、後谿、公孫、三陰交、脾兪、胃兪、肝兪)などを適宜選んで刺鍼した。
経過

6診目6月21日 出血が一時的に増えていたが出血量が減り排便時の痛みがなくなる。
13診目7月8日 出血量、粘液量ともにピーク時の3割にまで減る。(以前疲労により増加傾向)
以後出血より夜間の下痢(粘液)が目立つようになる。
65診目12月23日 出血はおちついている。夜中トイレにかけこむことも少なくなった。
89診目4月29日 便血、ほとんど見られない。粘液のみになる。
以後153診目まで便血なし。残っていた粘液も徐々に出なくなる。(仕事で忙しくしていても出血はない)

現在の状態 便血がなくなり軟便であるがすっきり排便できるようになっている。仕事がハードになると腰痛、膝痛など身体的疲労はあるが、下血、粘液はなく良好な状態が続いている。