糖尿病から来る眼底出血・飛蚊症の症例

初診日

平成21年8月5日

患者

男性 65歳会社員

主訴

糖尿病から来る眼底出血・飛蚊症の症例

随伴症状

心筋梗塞、足関節のむくみ、足のけいれん、手のしびれ、息苦しさ

病歴

幼児期に重症な肺炎をおこし、20代に鼻づまりで悩む。 10年前糖尿病になり、5年前には心筋梗塞で即手術。カテーテルをつけてから、階段の上り下りがきつく息が切れる。この頃から足関節にむくみが出て、小便 の出が悪くなる。半年前から左目に飛蚊症の症状が出てきて、3ヶ月前には、左目の視野に白い膜が張ったかんじになる。4.5日前には、右目にも飛蚊症が出 る。

診断

元々神経質な性格の方で、ストレスを感じやすい体質であったことに加えコーヒーのカフェインの過剰摂取などにより気の停滞がおこり、長引いたために次第に化火して肝腎の陰血を損ない糖尿病を発症し、肝腎と密接な関係のある目へと影響が及んだものと診断した。

治療

心筋梗塞の既往歴があるので少し強い刺激をすると悪化する場合があり、慎重に刺鍼を行う。1回に1〜3個の少数のツボ(後谿、脊中、筋縮、行間、外関など)を用い、気の巡りをよくして、肝腎を調整する治療をする。

経過

3診目 8月19日 左目の膜が薄くなった。滑肉門
4診目 8月21日 左目の膜がほとんどなくなった。天枢
5診目 8月24日 下肢のむくみ、右がましになる。天枢
9診目 9月7日 足のけいれんなくなる。霊道、太衝
23診目 1月7日 飛蚊症ほとんど症状なし。脊中

現在の状態

H22年現在、足関節のむくみ、足のけいれん、手のしびれ、息苦しさなどの症状はなくなっている。飛蚊症はまだあるが安定している状態。糖尿病もあるので時々出血してもすぐ治るようになっている。現在も治療中である。


院長からのコメント


糖尿病をお持ちの方はあらゆる病を合併することが多いのですが、合併症に対する治療を望んで来院される方は鍼灸院では少ない方です。

心筋梗塞などの既往が あり、息切れを起こすなど、なかなか難しい症状で、しかも根気のいる治療ではありますが、現在まで飛蚊症は落ち着いており、他の症状も非常に良い結果と なっています。

血圧も140/90で血糖値も140台で落ち着いて、趣味のパソコンいじりもたいへん機嫌良くできているみたいです。