胃の膨満感と吐き気の症例

初診日

平成26年3月20日

患者

女性 38歳 161cm 45kg 概婚

主婦

主訴

腹部の膨満感

吐き気

冷え性

病歴

10年前に胃カメラ検査によりピロリ菌に感染しているという診断を受ける。

東京から大阪へご主人の転勤で引っ越してきてかなりストレスを感じている。胃の膨満感により食欲がなくなる。

睡眠中に歯ぎしりをしているのでマウスピースをつけている。

病院からナウゼリン(胃薬)、リボスチン点眼液(目薬)、アラミスト点鼻液(アレルギー)を処方される。

診断

ご主人の転勤から生活環境の変化によるストレスの蓄積となり、肝の気の停滞が起こり、どちらかというと言いたいことをグッと飲み込む性格のために胃の気も停滞しやすくなっていて、腹部の膨満感・吐き気を生じたと考え、肝の気をめぐらすことを第一に治療した。

治療

1回の治療で1〜3個の少数のツボ(照海、神門、陰谷、霊道、八堆下、百会)を適宜選び刺針した。

経過

初診3月20日 胃の不調、足の冷え

2診目3月22日 胃の不調が10→3(初めの症状を10として)になる。足の冷えは前回よりましになる。

4診目3月29日 胃の膨満感がましになる。肩背の右張っている。

5診目4月2日 すごく調子がいい。食欲がもどった。

8診目4月14日 今も良い状態が続いている。最近夜中に2回ほど目が覚める

11診目5月3日 胃の調子が10→2になる。咳と痰がからむ。

14診目5月28日 体調が良い状態が続いている。食べ過ぎで胃が重くなる。

16診目6月26日 吹き出物が唇の周りにたくさんできた。胃の調子はいい。

24診目10月8日 みぞおちと咽痛がおこる。胃のだるさが出てくる。

26診目11月21日 咽痛がましになる。胃のだるさはまし。

現在の状態

一ヶ月に一度、風邪を引いた時などに胃の調子が悪くなるので、治療を受けているがその都度症状が取れる。

現在は娘さんも喘息と風邪の予防に来られて良い状態を保っている。


院長からのコメント


引越したばかりというのは、とても緊張することが多いものですね。

周りに知らない人ばかりで、子供さんも小さかったら、子供の世話のストレスを抱えながら人付き合いしなければならず、内向的な性格の方は大変だと思います。


身体のツボの状態を、詳しく見ていくともともとの性格からきているものであれば、かなりツボが大きく深く出ていることがあります。それが小さくなっていくことがその方のこだわりとかが解消されていくということを表わしています。


心の奥底にあるものまでは、現れてきませんがそれに様々な原因が重なって症状が現れるのでその一部は見えてくるのです。


この方も、症状が治まってくると、ツボの状態があまり顕著に現れなくなりました。そうすると、不思議なことに気持ちが少しづつ前向きで外向的になり、積極的に周囲と関わっていくようになられました。


以前は、幼稚園の発表会や運動会に出るのが億劫だったのに、全然平気になられて元気に過ごされているようです。