臭いが気になる、動悸、うつ病の症例

初診日 平成25年10月7日
患者 女性 32歳 164cm 43kg
主訴

・臭いが気になる

・うつ病

・動悸

病歴

小児のときに咽をよく腫らせて、高熱が出ていた。

5年前に伝染性単核症になり、咽の腫れが一ヶ月くらい続いた。

1年前に職場の人事で、ストレスがたまるようになる。

病院ではうつ病と診断され、処方された薬(マイスリー、リーゼ、ケルロング、パキシル)を飲んでいる。ストレスがあると臭いが気になる。

診断 子供の頃、咽を腫らせてしまい高熱を発していた、大人になってからでも咽の腫れを起こすことから、熱を内側にこもらせてしまうタイプであることがわかる。うつ病と診断されての処方薬で熱が発散されずにいることがわかる。治療はそれをいかに早く解放してあげるかである。
治療 1回の治療で1〜2個の少数のツボ(至陽、照海、曲泉、神道、百会、内関、筋縮、霊台など)を適宜選び、1回の治療で1〜3個の少数のツボを適宜選び刺針した。
経過

初診10月7日 胸や背中の臭いが気になる。動悸、不安感がある。

3診目10月16日 薬を服用せずに過ごしている。

5診目10月23日 動悸と不安感が10→5になる。(最初の症状を10とする)

10診目11月13日 動悸がましになる。

21診目1月23日 臭いが気になるのが前よりましになる。最近は調子がよく、動悸もない。

29診目3月13日 臭いは気になるが10→2になる。

50診目8月16日 体調はいい。お腹が張るのが気になる。

53診目9月17日 胃が気持ち悪くなる。

54診目9月25日 胃の気持ち悪さは無くなる。

66診目2月13日 調子がいい。お腹の張りがましになる。

現在の状態 身体の状態はほぼ改善し、気持ちの部分が前向きになり自分のしたい海外での英語研修なども受けてみるなど、行動に大きな変化が現れ、その後職場も変わり生き生きとした生活を送れている。

院長のコメント

 子供の頃の熱発で咽喉を腫らしやすいのは、単純に粘膜などが弱いせいではなく、内熱傾向で言いたいことを言いにくい状態にあることが関わっています。

 両親との関係性を詳しく聞くと、親の価値観を押し付けられるような言動を受けていたり、自分のしたいことを我慢する傾向が強いのです。

 それでも理解をしてくれる人に出会えると変化していきます。

鍼灸治療でする場合には、身体に影響している部分には即効性があります。心理的な内面のアプローチとして、治療直後からの、自分がしたいことを思い切ってやることを勧めることです。これが要となります。