逆流性食道炎、不整脈、不安感の症例

初診日 平成26年6月7日
患者 女性 78歳 150cm 46,5kg
主訴

手のこわばり(シェーグレン症候群)

・逆流性食道炎

・不整脈、不安感

病歴

42年前にシェーグレン症候群を発症して手のこわばりがでる。

40年前に手の痺れが起こった。

10年前に手の痺れが再発して、次は痛みを伴うようになった。

1年前に両手の手根管症候群になり手術を行う。

ほぼ同時期に逆流性食道炎を発症し、投薬により症状は治まる。

加齢黄斑変性により目がかすむ。

白内障を両目とも手術している。

緑内障で点眼薬を使用している。

心臓の検査で不整脈と診断され、ペースメーカーの可能性があると医師から言われる。首から肩こりがあり、きつくなると頭がボーっとする。

診断 シェーグレン症候群はリウマチなどと並んで膠原病の一つで血に熱がこもっている状態を表す。体表観察より、特に上焦部位(胸部の脊柱管あたり)に熱がこもって停滞していることを判明。それが根源的にあり、手首の経絡上の停滞が現れると手根管症候群に、心臓に直接関係する場所のため不整脈も出てくると診断した。
治療

1回の治療で1〜3個の少数のツボ(陰谷、神道、内関、照海、百会、霊道など)を適宜選び、刺針した。

経過

初診6月7日 不整脈でペースメーカーを入れないといけないかもしれない。

2診目6月9日 上半身が熱くなりカッカッしていた。平熱は36,1度だがこのときは36,5度になっていた。

3診目6月10日 肩こりはまし。肩背のはりもない。

8診目7月2日 熱感はなくなった。

ー8月4日から検査入院をするー

12診目9月8日 検査入院中にカテーテル検査で、カテーテルアブレーションを行う。(左心房の3箇所を治療した)

17週目1月16日 疲れると首肩のこりがでる。頭痛もある。

現在の状態 定期健診からのカテーテル検査でアブレーション施術を行った結果が良く、1年以上目立った不整脈は起きていない。手のこわばりや逆流性食道炎・目立った不安感も起きていない。現在は首肩こりくらいの症状で、悪化しないように1カ月に一度来院していい状態が続いている。

院長のコメント

シェーグレン症候群は、血分という東洋医学的に見て深いところに滞りがある場合に出る事が多く、症状が長引くと心臓の病気や逆流性食道炎などの症状になることもあります。鍼灸治療は、この血分の滞りを改善するのに効果的で、治療を行うと睡眠が良く取れて、疲労が回復し呼吸が楽になりその結果特に原因がはっきりしない不安が解消し、快適な生活が送れるようになることが期待できます。