女性の症状

  女性は男性と異なる体質を持っています。お子さんを産むために、必要な身体になっているのです。なので特有の症状が現れてきます。その理由を東洋医学的に少し詳しく説明いたします。

 女性は、妊娠のために子宮内に血液を貯蔵しています。毎月、赤ちゃんがいつ出来てもいいように、準備をしています。そして妊娠されない時には、不要な血液として、子宮内に貯蔵されていた分が排出されていきます。そのために、肝臓に常時蓄えている血液の一部を子宮やその周辺に供給していきます。

 肝機能が充実している場合には、身体にはそんなに異常はきたしませんが、ストレスなどで気(エネルギー)が滞り肝臓に熱がこもると機能亢進になります。その期間が長引くとだんだんと肝機能が衰えてくるので血虚と呼ばれる状態と血瘀という状態に別れてきます。

 血虚は血の不足、血瘀は血の滞りで症状は同じように出てきますが、大きな違いがあります。血の不足は、弱りです。血の滞りは弱りではなく単なる停滞です。この二つは治療において重要な意味を持ちますが、非常に分けがたい部分があります。なぜならば、停滞から弱りが、弱りから停滞が起こるからです。

 しかし、治療の瞬間においては分けておくことができます。つまり、長い目で見ると変化するものではあるが、短い時間、例えば1日だけという期間で見ると分けることができる。こういう関連があるということです。

 女性の疾患を治療する場合に、このことを見逃し易く、たいていの治療院はお灸をしてしまいますが、これは間違いであることが多いのです。多くは停滞から起こるものなので、鍼でその停滞を除くべきところをお灸で温めてしまうと、気持ちは良いのですが、停滞は除かれず本質的には治らないということになります。

 きちんと症状をわきまえ、原因と病理機序(どういう経過)を明確にし、結果の認識を正しく行うことが大事になっていきます。

 気になる方は一度お問い合わせください。

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