円形脱毛の症例
初診日 | 平成20年5月10日 |
患者 |
男性 10歳 小学生5年生 |
主訴 |
円形脱毛症 |
病歴 |
早産で27日間保育器に入るがその後は問題なく成長。1歳 から保育所に通う。水疱瘡、おたふく風邪などにかかるが5歳位までに耐性ができ小学校に入ると1,2回欠席するのみ。2年生の頃小さな脱毛箇所が出来る。 その後自然治癒、発症を繰り返す。今年2月頃後頚部に抜け毛が出始め徐々に上部へ広がる。3月には右側頭部、4月には左側頭部へ広がった。 |
診断 |
母親も幼少及び青年期に同様の症状があり、先天的な影響も考えられるが、また内向的性格など後天的要素から気の停滞を引き起こす傾向が主と診て、必ず良好になりますよという、安心感をまず患者本人に抱かせることが重要と母親へ伝える。 |
治療 |
気の停滞をとり、気・血の巡りを改善させる。1回の治療で1〜2個の少数のツボ(百会、神門、神道、肝兪、大衝など)を適宜選び刺針した。 |
養生指導 |
気の運行を良くするために、何も持たずに静かなところを歩く。 |
経過 |
21診目6月28日 脱毛部にザラつきが出始める。 |
現在の状態 |
症状は改善し現在はその面影は全くない。今は体調管理の為週に1回のペースで来院中。 |
院長からのコメント
この方は、親御さんがとても心配をされて育てられたのだなあと、お母様の子供さんに接する態度でもわかる方でした。子供さんはお母様の反応を良く見ています。
こういう病気は遺伝ではなく、心の状態が大きく関与します。体と気持ちが落ち着くことが非常に症状の好転につながります。特に体に影響するのは睡眠の 状態です。
この子の場合も、熟睡感を十分得られなかったり、寝付きが悪く良く目が覚めるなどの症状があれば治りにくく、治療過程においてまず改善していく ポイントになっています。